『鉄道模型モジュール LAYOUT AWARD 2022』ゆるっとレポ②
というワケで素晴らしい作品が目白押しだった『鉄道模型モジュールLAYOUT AWARD 2022』。
今回はその中でも個人的にグッときた作品をご紹介。
(当サイトで紹介していない作品のみ、という形で失礼します)
気になった作品紹介
桜は散るのでなく、舞うのです
京急「井土ヶ谷」~「弘明寺」間と沿線の桜の名所大岡川を参考に、「もしも京急沿線と川沿い一体に桜が咲き乱れていたら」というIFをテーマにした作品。
テーマの通り、圧倒的な物量の桜の木は圧巻!(しのばれる作業量も圧巻…!)
レイアウトの風景というとどうしても緑基調になりがちですが、桜一色で埋め尽くされていたこちらの作品は会場でも一際注目を集めていました。
或る機関支区
あくまで個人的にですが、最も「いいなぁ」と思った作品です。
昭和40年代当時の亀山機関区柘植機関支区をモデルとし、新緑の季節が舞台となっています。
転車台をはじめ、建物類は市販パーツを活用しつつ自作されたそうです…!
す、凄い…。
色調は全体的にマットにまとまっていて、落ち着いた雰囲気が漂っています。
植生表現もとても繊細でバラエティ豊かです。
線路わきの資材やがれきの表現もとても凝っていて、しげしげと眺めてしまいました。
SUNSET HILLS(サンセットヒルズ)
会場でお隣同士だった作品です。
(ちなみに逆側のお隣さんは野口 浩一郎氏。両隣ともレベルが高すぎる…)
とにかく見事な紅葉!…も見どころなのですが。
作品名にもある“夕日”との相乗効果が見事な作品でした!
作品名には“ヒルズ”とも入っていますが、実際に背景の夕日の見え方や高圧鉄塔の存在もあり、本当に丘の上、見晴らしのいい場所なんだろうなぁという気がしてくるのです!
こんな高原ホテルで夕日を眺めながら山の幸を堪能する…きっと至福のひと時でしょう。
フェリー乗り場のある小さな港町
Twitterで製作過程を拝見していた、よーり氏の作品です。
こちらは瀬戸内の港町がテーマの作品。
瀬戸内は一度行ったことがありますが、本当に港がいっぱいあるんですよね。
そして水上の交通手段として大小さまざまな船が行きかっていたのが印象的でした。
さて、こちらの作品ですが、凄いのはシングルモジュールに港町の要素をギュッと凝縮していらっしゃるところ。
海の風景というと広いスペースを要しがちですが、それを決して広いとは言えないスペースにまとめ、そのうえ狭苦しさも感じません。
省スペース化の工夫は随所に見ることができますが、特に港沿いの建物を大きく切り欠いて背景に埋め込む手法には驚きました。
面積に制限のあるモジュールコンテストならではの作品ではないでしょうか。
会津中川駅
只見線の会津中川駅を舞台とした作品。
駅舎・倉庫はレーザー加工した紙を組んだ自作モノ。とても精巧にできています。
線路のサビ表現や新旧の枕木が混在している様子など、一つ一つの加工がとても丹念に作りこまれているのが分かります。
繊細で丁寧な表現が、高いリアリティに繋がっている作品です。
京の都
茜に染まる京の秋、空にそびえる五重の塔―。
昔も今も我々日本人の心をつかんで離さない、そんな風景を見事に作り上げた作品です。
まず目に入るのは、遠目からでもよく見える紅葉。
実際に植わっている樹木に加え、背景にも書き込まれていることで広がりを感じます。
桂川(大堰川)に架かる渡月橋もとてもよくできています。
(自作?もしくは何らかのキットなのでしょうか?いずれにしても素晴らしい出来です)
ウェザリングは全体的に暗めに施されており、重厚感があります。
古都に漂う歴史の重み…そのようなものを感じる作品です。
NOSTALGIA(ノスタルジア)
当鉄道の作品と名前がとっても似ています!
…が、こちらは真のノスタルジーと言えましょう。
手前の線路だけでなく、奥側にも8の字エンドレスが設置されています。
昭和の風景に似合う建物には高さのあるものが少なく、必然立体感が出にくいのですが、こちらの作品では土台の高さに差を設けることで立体感が生みだしています。
中央にそびえたつ高圧鉄塔も、低い建物の中にあって一際存在感があります。
鉄塔はいずれ使ってみたいものですね。
夢のあとに
こちらもTwitterにてちょくちょく拝見していた作品でありまして、実際に会場で観るのを楽しみにしていました。
やはり実際に見ると迫力が段違い。
建物の造形もさることながら、コケやツタに覆われ始めた屋上や外壁に、フェンスでふさがれ枯れ葉が吹き溜まる玄関前と…、時代に置いてゆかれた観光ホテルに漂う寂寥感の表現が見事でした。
盛者必衰、栄枯盛衰――。
時代の移り変わりを生々しく表現した、素晴らしい作品です。
記憶Ⅰ
地面や植生・サビ表現が繊細で、とても参考になる作品です。
枕木部が土に隠れてしまっている引き込み線も良い雰囲気です。
個人的にですが、目立つ構造物がない情景は作るのが難しいと感じておりまして、そういった風景をここまで実感的に作り上げられるのは凄いなと思います。
作品名に「Ⅰ」とあるように、作者様にはまだまだ作りたい情景があるそうです。
そちらも是非拝見してみたいですね!
なんちゃって どうぶつの森
ゲーム好きとしては紹介せずにはいられない!
私も大ハマりしていた任〇堂のヒット作、「あ〇森」をテーマとした作品です!
ひときわ目立つドードー・エアライン社の水上飛行機に、各所に設置された木や柵。
「いしのかいだん」や「あかいわふうのはし」も作中のモデルにとても忠実で驚きました。
やはり最近の3Dプリント技術には興味をひかれます。
おなじみのBGMが聞こえてくるような、楽しい作品でした!
作品展を振り返って
うーむ、こうやって気になる作品をまとめると、自分がどんな風景を好むかがモロに分かりますねぇ…(笑)
とはいえ、あくまでこれらは展示作品のホンの一部です。
会場には他にも素晴らしい作品がたくさんありました。
この記事を読んで鉄道模型のイベントに興味を持って頂いた方がいらっしゃいましたら、ぜひ足を運んでみて下さい。
画面越しに見るのとはまた違う感動が得られますよ!(^▽^)
ということでイベント全体の振り返りは以上です。
…実はちょっとしたご報告もあるのですが、それは後日談という形で別の記事にいたします。
というワケで、また次回!